| URL |
https://mokkanko.nabunken.go.jp/ja/MK026252000001 |
| 木簡番号 |
0 |
| 本文 |
・◇□□〔出石ヵ〕里□□□□鳥戸口□額田部〈〉○女□可□〔充ヵ〕□□□□□不堪□□□・◇卌代□／午年分直稲八束度与貲□〔値ヵ〕得人／同里神部廣嶋○「若田給者衣女分進上入申」∥天平勝寶四年十月九日○／鳥取部廣万呂／「知忍海部馬男／鳥取部公手○直受鳥取部衣女／○【「○※○※○※○末」】 |
| 寸法(mm) |
縦 |
474 |
| 横 |
50 |
| 厚さ |
6 |
| 型式番号 |
011
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| 出典 |
但馬集成17頁-(103),木研26-252頁-(1)(木研21-76頁-(1)) |
| 文字説明 |
裏面｢※｣墨点は側面に切り込みを伴う｡ |
| 形状 |
三片分離､穿孔は右より､左下一部を欠く。上削り、下削り、左削り、右辺二次的削りか。 |
| 樹種 |
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| 木取り |
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| 遺跡名 |
宮内黒田遺跡
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| 所在地 |
兵庫県出石郡出石町宮内字広田 |
| 調査主体 |
出石町教育委員会
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| 発掘次数 |
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| 遺構番号 |
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| 地区名 |
G
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| 内容分類 |
画指
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| 国郡郷里 |
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| 人名 |
(額)田部□□･神部廣嶋･鳥取部(廣)万呂･知忍海部馬男･鳥取部公手･鳥取部衣女 |
| 和暦 |
天平勝宝4年10月9日 |
| 西暦 |
752(年), 10(月), 9(日) |
| 木簡説明 |
上下両端・左辺削り、右辺二次的削りか。天平勝宝４年は752年。賃租に関わる資料か。出石里は、『和名抄』の出石郡出石郷にあたる。鳥取氏は、白鳥を捕らえて貢進する鳥取部の伴造氏族。『新撰姓氏録』右京神別上・山城国神別に鳥取連、河内国神別・和泉国神別に鳥取がみえる。本木簡の「鳥取部公手」「鳥取部廣万呂」「鳥取部衣女」のほか但馬国にはみえないが、隣国丹波国氷上郡葛野郷に「鳥取首赤猪・鳥取部真持」（『平城木簡概報(31)』29頁上414号）、丹後国竹野郡鳥取郷に「鳥〈」（『平城宮木簡二』2205号）がみえる。忍海部は、忍海角刺宮で臨朝秉政をした飯豊青皇女の名代部。『新撰姓氏録』河内国皇別にみえる。本木簡に「忍海部馬男」、但馬国分寺跡に「忍海部私□」（木簡107）、二条大路木簡に気多郡思殖郷波太里の「忍海部麻呂」（木簡439）、天平９年度但馬国正税帳に「大毅正八位上忍海部廣庭」（正倉院文書正集29 巻第８紙・『大日古』二60）がみえる。裏面下端には天地逆に「末」とみえ、木簡の左辺に３ヵ所の墨点が残る。墨点も、「末」と同じく木簡の天方向から付されたとみられる。墨点は、木簡の文字の方向に指を置いた画指の可能性があり、「直受」とみえる「鳥取部衣女」の画指と推測される。画指の墨点の間隔は、「末」（文字の記された木簡としての天の方向）から、約16 ㎜、約28 ㎜であり（墨痕の中心間距離を計測）、現代の身長150㎝程度の比較的小柄な女性の薬指と比較した場合、指の先端と、DIP 関節（第１関節）、PIP 関節（第２関節）の位置を示したものとみてとくに矛盾はない。天平勝宝４年は壬辰にあたり、「午年」は、直近の天平勝宝６年甲午、あるいはその前の天平14 年壬午（742）の可能性がある。「貲」は、あがなう、たから、もとで、などの意で（『大漢和辞典』）、「貲値得人」は債権者を指すのであろう。「直稲八束」は、「卌代」の獲稲40束の５分の１にあたり、『令集解』「古記」にみえる賃租の公定額に一致する（田令11公田条）。『田令』によると、賃租は「所部官司」（まずは郡司）の承認が必要とされた（19賃租条）。裏面の記載は、「知」として日下に署名する忍海部馬男の命により、午年分の直稲８束を「貲値得人」である神部廣嶋に譲渡するとの意味か。鳥取部廣麻呂、鳥取部公手は、鳥取部衣女の親族で、証人として名を列ねたものか（森「木簡から見た郡務と国務」前掲）。額田部は木簡17、神部は木簡６参照。
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